【北京五輪】17歳トルソワは体型変化を経てもなぜ4回転ジャンプを飛び続けられる?

男子でも4回転ジャンパーは多くはないのに、ロシアの女子は代表3人とも4回転ジャンプを飛びます。
中でも5種類の4回転ジャンプをすべて飛ぶプログラムに挑んでいるのが、
17歳のアレクサンドラ・トルソワ選手。
14歳のときから4回転ジャンパーとして注目され、ジュニアの大会で記録を塗り替えてきました。
10代前半で4回転が飛べても、女子はその後の体型変化により飛べなくなるのか通説。
17歳になり、明らかな体型変化を遂げているにも関わらず、
なぜ4回転ジャンプを飛び続けることができるのでしょうか。
調べてみました。

アレクサンドラ・トルソワの体型変化

トルソワ選手は14歳からの4年間伸びた身長は
12cm
成長期ですから当然のことですね。
さらに女子選手特有の体型変化ももちろんあります。

14歳(148cm)

15歳(157cm)

16歳(158cm)

17歳(160cm)


 
めちゃめちゃグラマーになったかというと
それほどでは・・・
かもしれませんが、小さいながらも胸は大きくなっているし、
お尻にも肉がついて、女性的なカラダにはなってきています。

体型変化で4回転が飛べなくなる理由

一般的に女子選手が体型変化により、不調に陥りやすいと言われています。
すべての女子選手がぶつかる壁とも。
その理由を分析すると・・・

身長が伸びること

身長が伸びると重心の位置が高くなります。
ただ、よほど急激な変化でない限り、それだけで自分の重心がわからなくなってしまうことはありません。
フィギュアスケートでは背が低く、手足が短くて重心が低い方が有利だという考え方もありますが、
手足が長い方が表現力が出るし、美しいですよね。
何より身長が伸びない人間はいないので、こればかりはどうしようもありませんね。

体重が増えること

一番はこれです。
女子は胸、太もも、お尻の部分に脂肪がつき、大きな体型変化とともに、
すごく体重が増える時期はあります。
これを管理するのは至難の業で、摂食障害を引き起こす選手もいるくらい。
厳しい食事管理とトレーニングを持ってしても、必ずコントロールできるというものでもありません。
それに胸が大きくなるのはジャンプには大きな悪影響になるそうです。
それは、回転半径を広くするため、
回転速度が落ちてしまうからなのですね。
大きな胸は邪魔以外の何者でもないとは
なんとも悲しい現実です。

体重増に対して筋力が増えないこと

脂肪は男子より増えるのに、筋力は成長期にある男子選手ほどに増えません
体重増を補うほどの筋力の増加があればいいんでしょうけどね
女子選手ゆえです。

トルソワが飛べなくならない理由


いくつかの理由が考えられますが、一言で言ったら
素養が優れているからにほかなりません。

完璧主義な性格

3月の世界選手権の時の取材では、

トルソワ選手のプログラムには4回転ジャンプが5本組み込まれていた。なお、着氷に成功したのは3本だった。トルソワ選手は自身の演技に満足できず「点数はもう重要じゃない」と語ったが、世界選手権が開催されたことやフリーで追い上げて3位に食い込んだことには喜びを表した。トルソワ選手によると、5本の4回転ジャンプを決めることは競争とは関係なく自身の目標だという。

SPUTNIKより

昨年の欧州選手権では、

「転倒してもしなくても、どんなコンディションにあっても、ちょっと良くてもちょっと悪くても。彼女は戦車のようです。何が何でも前に進みます」とその性格を表現。「諦めるよりは跳べるようになる方が簡単でしょう。(プログラムから)除くことは、負けることを意味すると彼女は考えます。サーシャは完璧主義者です。」

THE ANSWERより

  • 負けず嫌い
  • 完璧主義

もはや王者に必要不可欠な要素なのでしょうけど、
本当に凄いですよね。
常に自分との戦い。
更に凄いのは、4回転ジャンプでいっぱい失敗もしているんです。
いつもポンポン飛べるわけじゃなくて、飛べない時もある。
それでも飛べるようになるまで練習して、
しかも飛べるようになっちゃう!!
もう、凡人には想像できないレベル。
可能性をいくらでも自分で引き上げていけるんじゃないかと思ってしまいます。
そして北京に合わせてまた飛べるようにしてきているなんて!

体重管理も不要

インタビューでは体重管理にも触れ、ダイエットをするかについては「しません」と素直に回答した。「夜に健康に良くない食べ物は口にしません。ファストフードもケーキも好きじゃない。なので、私は(他の選手より体重に関して)より簡単です。甘いものやパン類は食べますが、頻繁ではないです」と同年代の選手が苦労する体重管理に問題はないと強調した。

THE ANSWERSより

あまり太らない体質としか言いようがありませんね。
確かに年頃の女の子にとって、甘いものの誘惑は凄まじく、
我慢することがとても難しい人もいるでしょう。
でも、甘いものが全然魅力的に感じないということは、
=太らない
ということではありません。
私の知り合いで、甘いものもお酒も飲まないのに100kg超級のおじさんがいます。
ティーンズの女の子とは比べ物になりませんが、
トルソワが、
あまり食に執着がなく、あまり食べない
または
太らない体質
であるかのどちらかなのはあるでしょう。

筋力も増強

「強靭な筋肉があり、体が重くても耐えられる。そのためトゥルソワは4回転ジャンプを維持できることは間違いない」

THE DIJESTより

トルソワの筋力が常人でないのは確かのようで、4回転ジャンプを5本飛ぶのは体力的にも超人的。
男子でも相当きついと考えると女子では異常なレベル。
ぱっと見ゴリゴリマッチョにはみえないのに不思議ですよね。
筋トレも特別ハードにしている様子もありません。
これはもう先天的なものなのでしょうか。

飛べなくなるのはこれからの可能性


朝日新聞より
平昌オリンピックでザギトワが金メダルをとった時、
15歳とは言え彼女の体つきはかなり成熟しているようにみえました。
胸も大きく、女性的な体つきでしたよね。
それでも、その後の体型変化によって不調に陥り、
ロシアの代表選考には残れなくなっていったことは、記憶に新しいです。
そう思うとトルソワの体型変化による不調はこれからやってくる可能性があります。

村上佳菜子(むらかみかなこ)さん(世界ジュニア選手権優勝者です)も、成長期にともなうジャンプの不調を「重心が一本にならない」と表現。「昨日まで出来ていたことができなくなる。毎日泣く日々、それが急に始まる」と語っていました。

スケートライフより

そう
突然始まる
そうですから。

まとめ

4回転の申し子として注目を浴び続けているトルソワ選手。
怪我することなく、長く、4回転ジャンプを飛び続けることができるよう
心から祈っています。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。