フィギュアスケートの羽生結弦選手に対し、
北京オリンピックの参加ボイコットを呼びかける
手紙が届いたことに対し、
批判が殺到している件で、
その手紙を送ったのは誰で、
どんな内容なのか気になります。
東京オリンピックの時に
池江璃花子選手にも同じようなことがありました。
同様の感じなのかも含めて調べてみました。
羽生結弦に五輪ボイコットの手紙を出したのは誰?
Wikipediaより
生年月日:1994年(平成6年)12月7日(27歳)
出身地:宮城県
身長/体重:172cm/57kg
北京オリンピック
北京オリンピックは
2022年2月に中国の北京で開催される
冬季オリンピックです。
いま、中国は
中国政府が行ってきた
ウイグル人や他の少数民族に対する弾圧・虐殺について
逃げ出したウイグル人の告発などにより
国際的に問題視されている状況です。
中国政府がウイグル人にしてきたことは
目を背けたくなるような恐ろしいことばかりで、
これが現代の話なのかと
日本に住む人達にはにわかには信じられないくらいです。
池上彰が解説「なぜ中国はウイグル弾圧?」の核心
アメリカやイギリスが
これに対し非難の意味を込めて
「外交的ボイコット」を呼びかけました。
2021年12月11日現在
- アメリカ
- イギリス
- リトアニア
- オーストラリア
- ニュージーランド(理由はコロナ)
- カナダ
- コソボ
が外交的ボイコットを表明しています。
羽生選手の現在
羽生選手にとっては、
2014年ソチ
2018年平昌に続き、
3連覇がかかるオリンピックになります。
そのオリンピックシーズンに入った11月のNHK杯から
「右足関節靭帯損傷」で大会の欠場が続いていて、
選考を兼ねる大会への出場も危ぶまれる状態
しかもその大会すらコロナの影響で
開催中止になったりと、
とっても不安定な状況です。
そんな羽生選手の
大切なこの時期に
大切な大会へのボイコットの手紙を出したのは
「ウイグルと日本の未来を考える会」
手紙の内容はどんなもの?
Wikipediaより
羽生選手の所属団体など
3箇所に対し羽生結弦宛に手紙を出したことを
ツイッターで公表したのは
「ウイグルと日本の未来を考える会」
北京五輪ボイコットを呼びかける手紙を羽生結弦選手に送ってみました。「自分の大切な価値観や主義主張を中国共産党に売り渡して得た金メダルに価値なんてない」というエネス・カンター選手の呼びかけも含めて。読んでもらえるかもわからないけれど、英断してくれることを祈っています🙏 pic.twitter.com/wtRMrUUDYf
— ウイグルと日本の未来を考える会 (@uighurandjapan) December 9, 2021
内容についても
ツイートしていますが、
そのツイート全文はこちら
羽生選手に出した手紙ですが、決して出場辞退を無理矢理迫ったり脅迫するような書き方はしていません。「北京五輪でのご活躍を、ご本人はもちろん、世界中が楽しみにしていらっしゃることは重々承知しておりますが、ここでひとつ考えていただきたいことがあります。
「ウイグルでの人権侵害をやめよ」と口で言うだけでは中国共産党は動きません。彼らを動かすのは経済的な締め付け。ウイグル強制労働に関わる企業への制裁は実質的な効果が期待できます。そのための法整備を求める署名にぜひご協力を!
NBAのスター選手、エネス・カンター氏は、世界のスポーツ選手に向けて、以下のように呼びかけています。
「何十年もアスリート、セレブ、大企業は中国の人権侵害に関して沈黙してきた。その間にチベットの独立は奪われ、ウイグルではジェノサイドが行われ、香港の民主化運動はつぶされ、
台湾の主権も奪われようとしているのに、わたしたちはそれに目を背けてきた。わたしたち、プロのアスリートは中国は友人ではないことに気づくべきだ。共産党は凶暴な独裁政権だ。アスリートには世界をもっと安全で自由にする大きな役割がある。
わたしたちは道徳よりお金を優先するのをやめるべきだ。『我々は間違った情報を聞いていただけだ』という言い訳はもう効かない。活動家の人々の所に行って、中国のひどさを教えてもらおう。そして連帯して立ち上がろう。
IOCを信じられるか? IOCは中国の蛮行を長年許してきた。IOCに北京五輪を中止させよう。自分の大切な価値観や主義主張を中国共産党に売り渡して得た金メダルに価値なんてない。今こそ声をあげよう。誰もわたしたちを黙らせることはできない。』
」
このエネスカンター選手の呼びかけは世界中のアスリートに向けてのものなので、それを羽生選手にそのまま伝えました。彭帥選手のことやウイグルのことも書いたうえで「無謀なお願いであることは承知しておりますが、何卒ご深慮のうえ、ご高配賜りますようお願い申し上げます」と書きました。
人間はこの世に生きている限り誰も政治と無関係でいることはできません。スポーツ選手もです。羽生選手も一人の大人なのですから政治のことを考える時があってもいいはずです。考えたうえでどのように行動してもそれはもちろん彼の自由でありどんな結論になろうと責めるつもりは毛頭ありません
首相や国会議員などにはもちろん意見を送っています。しかし、なかなか埒が明かないので、「人権派」「フェミニスト」を自称する人や芸能人などにも今後は働きかけていきたいと思っています。ウイグルと日本の未来を考える会ツイッターより
ウイグルの問題は本当に見過ごせない問題だし、
世界中の人達が関心を持って、
働きかけて、
解決すべき問題であることは間違いありません。
影響力のある人にこの問題について知ってもらって、
影響力を行使してもらいたい気持ちはよくわかります。
人の命がかかっている問題です。
本当に切実な思いが込められているのもわかります。
これに対するコメントには
「オリンピックに対するボイコットは政治的目的を達成できず、
参加できなかったアスリートに害を及ぼすだけだ」
純粋にスポーツに向き合って、
人生をかけて打ち込んできた晴れ舞台であり、
個人的には不利益でしかないのかもしれません。
池江璃花子選手の時はどうだった?
江戸川区HPより
同じようなことが、東京オリンピックの時にありました。
新型コロナウィルスの感染拡大のおり、
東京オリンピック開催に反対する世論の高まりのさなか、
白血病から復帰し、
競泳の東京五輪代表に内定した池江璃花子選手に対し、
出場辞退を求める声などSNSに寄せられていた。
その事に対し池江選手は、
「非常に心を痛めたメッセージもあった。私に反対の声を求めても、私は何も変えることができない。やるべきことを全うし、応援していただいている方たちの期待に応えたい一心で日々練習している」
新型コロナウイルスの感染が広がる中で、五輪中止を求める声には「仕方なく、当然のこと」と理解を示した。一方、「(五輪を)やるなら全力で、ないなら次に向けて頑張るだけ。暗い世の中をいち早く変えたい気持ちは皆さんと同じ。それを選手個人に当てるのはとても苦しい」と心境を吐露した。最後に「頑張っている選手をどんな状況になっても暖かく見守ってほしい」と呼びかけた。読売新聞より
このニュースはとても胸が痛かったですね。
命を落とすかもしれない大病をし、
復帰した選手の、五輪出場は希望の光だったに違いありません。
正しい、間違っているということよりも、
彼女がとても胸を痛めた
という事実に
胸が痛みました。
まとめ
今回の件は池江選手の時とはちょっと違うかもしれません。
すでに起きている国際的な人権問題と
人々の不安を元にした反対運動では
ことの重大さがぜんぜん違うかな?
でも1つ言えるのは、
それを受けた選手が胸を痛めることになる。
という点では同じです。
真面目な羽生選手の心理的負担を考えると、
胸が痛みます。
でも本来羽生選手だけでなく
人権問題にはすべての人が、きちんと向き合わなければ
ならないのも事実なのではないでしょうか。
ここは、ウイグルの問題を考える機会をもらったとして、
羽生選手に対してしたことの是非を問うのではなく、
そちらに論点をずらしていければ、
いい方向に転がっていくのではないでしょか。
まずは、羽生選手の怪我からの復帰を
心から祈っています。