羽生結弦は4回転アクセルなしではチェンに勝てない?2人の戦績やプログラムの点数を調査!

北京オリンピックで3連覇のかかる男子フィギュアスケートの羽生結弦選手。
前人未到の4回転アクセルに挑戦することも注目の一つになっています。
羽生結弦選手は勝つために4回転半を飛ぶのではなく、挑戦することが目的
ということはわかっていますが、素朴な疑問として
4回転アクセルがないとネイサン・チェンに勝てないのでしょうか?
羽生結弦とネイサン・チェンの実力はどっちが上なのでしょうか。
2人の戦績や自己ベストや直近の点数を調べてみました。

羽生結弦と4回転アクセル


朝日新聞デジタルより
羽生選手は昨年12月の全日本選手権で初めて4回転アクセルに挑戦。
フリーの冒頭に組み込み、転倒無しで両足で着氷。
正式には回転不足の判定になってしまいましたが、
カラダは4回転いけてるんじゃん!!
転ばなかっただけでもスゴい!
と素人目には思ってしまう。
まだ一度も成功していないというものの、ものすごい可能性を感じましたよね。
試合後のインタビューで

羽生結弦選手
もちろん1位を目指してやっていきたいと思います。ただ、自分の中ではこのままでは勝てないのは分かっています。そして、もちろん4回転半というものへのこだわりを捨てて勝ちにいくのであれば、他の選択肢もいろいろあるとは思います。ただ、自分がこの北京五輪というものを目指す覚悟を決めた背景には、やはり4回転半を決めたいという思いが一番強くあるので、4回転半をしっかりと成功させつつ、その上で優勝を目指して頑張っていきたいと思います

そうなんです。
勝ちに行くことよりも4回転半を成功させることが一番なんですよ。
常に挑戦をし続けている羽生選手らしいです。
羽生結弦選手の信条を表す名言はたくさんありますが、
私がすごく印象に残っているのはこちら

羽生結弦選手
「できなかったら、できるまでやる!
できるようになったら、完璧にできるまでやる!
完璧にできるようになったら、
何度でも完璧にできるようになるまでやる!!」

ものすごいプレッシャーの掛かる場面でも、常に完璧な演技を見せ、
何度も栄冠を手にしてきた羽生選手の強さの秘密は、
ひたすらに努力を重ねてきたことなんですよね。
他にも
「勝つか負けるかじゃなく、どれだけ成長できたか、どんな経験ができたか。」
夢を諦めない。いや『常に課題を持ち続ける』です。
何歳になっても、新たな課題を何で出来ないんだろうって考えて、克服し続けていきたい。」
そんな羽生選手なので、4回転アクセルをやめるという選択肢はないでしょう。

羽生結弦は4回転アクセルなしでは勝てないのか


北京オリンピック公式サイトより
本人も言っていますが、「今のままでは絶対勝てない」ってそうなの?
結論から言うと
絶対とは言わないけれどかなり勝つのは難しい。
羽生選手の強さって飛び抜けていて絶対王者だと思ってたけど、
いつの間にそうなってしまったのでしょう。
調べてみると羽生結弦が金メダルを撮った平昌オリンピック以降
絶対王者として世界大会で10連勝してきたのは
ネイサン・チェンの方でした。
あら〜知らなかったわ。

羽生結弦とネイサン・チェンの比較


北京オリンピック公式サイトより
ネイサン・チェンも出場した世界大会について二人の成績をみていきます。

羽生結弦 ネイサン・チェン
2018年2月 平昌オリンピック 317.85(1位)  297.35(5位)
2019年3月 世界選手権 300.97(2位)  323.42(1位)
2019年12月 GPファイナル 291.43(2位)  335.30(1位)
2021年3月 世界選手権 289.18(3位)  320.88(1位)

それぞれ国際大会に1シーズンに5試合くらい出ているのに、
直接対決しているのは年に1回くらいなんですね。
あえて避けているのか、羽生選手はケガも多かったので、たまたまそうなっているのかはわかりませんが、
確かに前回のオリンピック以降はネイサン・チェンの一人勝ちですね。
2019年の世界選手権では羽生選手は完璧に近い演技をしたにも関わらず
20点以上の大差で負けた時には、採点に納得がいかなかったファンや解説者もいましたね。
演技の構成も羽生選手のほうが豪華で、素晴らしかった。
採点をうまくこなしたネイサン・チェンの方が勝ったんでした。
もちろん本人も悔しかったでしょうが、そのあたりから4回転アクセルに本気で取り組むことを決意したのかもしれません。
 

自己ベスト


NEWSポストセブンより

スコア 羽生結弦 ネイサン・チェン
自己ベスト 322.59 342.22
シーズンベスト 322.36 328.01
ショートベスト 112.72 113.42
フリーベスト 223.20 228.80

羽生選手は前回のオリンピック以降は欠場や危険も多かったですね。
新型コロナウィルスの蔓延に配慮して欠場したこともありました。
「自分が動くとたくさんのファンが動くから」と。
自分のスター性も理解していて、そういうところも王子様っぽくて素敵です。
出た試合では優勝することが多いですが、ネイサン・チェンのいる大会では勝てないイメージ。
ケガで不調な印象でしたが直近の全日本フィギアで自己ベストに近い322.36のスコアで優勝していて、
復調の予感もしています。
一方のネイサン・チェンはこの4年間まさに絶対王者として君臨。
スコアが300を下回ることはあまりなく、羽生選手の自己ベストのスコアくらいは
2回に1回位は出しています。
今シーズン10月のグランプリシリーズアメリカ大会で、実に10試合ぶり、
ピョンチャンオリンピック以来初めて優勝を逃しました。
すご〜〜!!
その後の2試合は復調して連勝しています。
直近のスコアも328.01と羽生選手の自己ベストを上回っています。
お互いに自己ベストのスケートをしたとしたら、羽生選手は勝てないということです。
まじか〜〜〜>

北京オリンピックのプログラム


オリンピックプログラムは直近の大会でのプログラムと同じと考えていいでしょう。
フィギアスケートの得点には
技術点=ジャンプなどの要素の難易度による得点+出来栄えの加点減点
演技構成点=スケートの技術による得点
転倒による減点
の合計により決まります。
 

S技術点 S出来栄え S演技構成点 F技術点 F出来栄え F技術点 減点 合計
羽生結弦 45.8 16.48 49.03 88.4 25.85 96.8 322.36
ネイサン・チェン 49.87 17.06 48.46 101.24 22.32 91.06 -2 328.01

こうして分析してみると演技構成点は羽生結弦選手も負けてはいません。
出来栄えは大会が違うのでジャッジが違いますし、
アメリカのジャッジは出来栄えを加算しすぎとも言われていて、
同じジャッジならきっと同じような加点になるか、
羽生選手のほうが美しい気がするので、加点も多いのではないでしょうか。
ポイントは技術点。
ここが大きいですよね。
ジャンプの規定が様々にありますが、
羽生選手はフリーで1つ入れなければならないアクセルジャンプを4回転にしようとしています。
因みにショートでは4回転アクセルを入れるのは規定違反なのでできません。
ジャンプの基礎点は

  • トリプルアクセル  8.0点
  • クワトロアクセル 12.5点

なので4.5点基礎点が上がります。
4.5点じゃまだ勝てないよ?
羽生選手は今回の構成に4回転ジャンプのうち
ルッツとフリップを入れていません。
4回転ジャンプの中で一番基礎点が高いルッツは11.5点
フリップは11.0点
飛べばいいのにねえ
羽生選手の4回転ルッツは「ユヅの4回転ルッツはゴージャス」と
海外でも絶賛されたほどの出来栄え。
しかも4回転アクセルと1点しか変わらんやん。
出来栄えが5点くらいは加算されるので、断然こっちのほうが分がいいんですけどね。
これが羽生選手の挑戦なのですね。
4回転アクセルが成功したらダントツで優勝と言われているのは
前回の全日本よりも基礎点の高いジャンプを入れた上での+4回転アクセルなのかもしれません。
何にしてもすごい挑戦。
日本中のファンが、
いや世界中が注目の挑戦ですね。

まとめ

結論としては
羽生結弦は4回転アクセルがあってもなくてもネイサン・チェンに勝つのは難しい。
ということになりました。
でも羽生選手の目指すところはそこじゃない。
もちろん勝ちたいし、狙っているとは思いますが、
一番は4回転アクセルを成功させること。
自分の価値は自分で決めるっていうか、
すごく軸があって素晴らしい生き様を見せてくれているような気がします。
みんなにとって価値があることと
自分にとって価値があることが違ったら
迷わず自分にとって価値があることを目指す。
子どもにも教えてあげたいです。
羽生選手の挑戦を応援します。